塩尻〜福島宿
(2001.4.30〜5.2)

1日目:塩尻から贄川宿

2日目:贄川宿から藪原宿

3日目:薮原宿から福島宿


2日目(2001年5月1日)贄川宿から薮原宿


◆ 今日は祝日の翌日だ… ◆ 

 きのうとは打って変わって快晴の空.最高気温も20℃を越えるらしい.松本駅7時42分発の中津川行き普通電車で贄川に向かう.今日はウィークデーなので通勤通学の人が多い.きのう歩いた道筋を車窓から眺めながら,8時25分贄川に着く.
 駅から国道19号線を西へ250mほど行ったところに跨線橋があり,このたもとに贄川関所跡がある.あいにく祝日の翌日で休館であった.今日はこの先何ケ所かで休館日にぶつかった.ゴールデンウィーク中だけでも休まないで!と思うが….私のわがままだろうか?

 贄川宿はこの跨線橋のあるところから始まる.水場で作業をしていたおばあさんが,「水が通るところに枯れ葉がつまってしまうので,それを取り除いたりしないといけない….奈良井にはもっと整備された水場がありますよ」って話してくれた.本来の中山道は贄川宿を過ぎるとJRの線路を横切り国道の方へ登っていくが,踏切がないので,そのまま道なりに進む.大きく迂回して国道に出ると中山道である.およそ30分程で「道の駅木曽ならかわ」に着く[9:30].
 道の駅は単なるドライブインではなく,その地域の特産品の販売や情報の発信をしている.ここ「道の駅木曽ならかわ」も木曽漆器や農産物などの特産品の展示や販売,この地域の観光地などを紹介したパンフレットなどが揃っている.「木曽くらしの工芸館」などをゆっくりと見て廻って30分ほどを過ごした.道の駅の手前にセブンイレブンがあったので,昼食用の弁当を買った.
 道の駅のあるところから中山道は国道を離れて平沢の集落に向かう.平沢は木曽漆器の代表的な産地であり,街道沿いに漆器を扱う店が並ぶ.漆器を求めるなら,道の駅にある「木曽くらしの工芸館」で,木曽漆器に関するひと通りの知識を得ておくと良いだろう.10時30分,木曽平沢の駅前に着く.
 木曽平沢の集落の西に「右 漆器の町平沢 左 奈良井宿」と書かれた道標がある.さらに進みJRのガードをくぐる手前から遊歩道が整備されており,奈良井川のほとりをせせらぎを聞きながら歩く.小学校の裏手を通りかかった時,子供たちとあいさつをかわした.奈良井川を渡り,JRの踏切を渡ると奈良井駅が見えてくる.

道の駅 木曽ならかわ

木曽平沢の街並

◆ 奈良井千軒の賑わい ◆

 奈良井宿の東の入り口にあたる奈良井駅に11時に着いた.松本のホテルを7時半頃に出てきたので,少しお腹がすいてきた.少し早いが,先ほどコンビニで買った弁当でお昼にする事にした.場所は,木曽の大橋が見える公園「水辺のふるさと ふれあい広場」にした.土地の名物を食べに店に入るのも良いが,景色の良いところで,コンビニで買った弁当を広げるのも悪くはない…と思う.
 今日は,このあと鳥居峠を越えて薮原まで行く予定であるが,ゆっくり歩いても3時間はかからないだろう.薮原から松本方面へ帰る適当な電車は15時45分発なので,充分時間があり,芝生に腰を降ろしてのんびりとくつろいだ.幸い天気も良く,ポカポカした陽気だったので,とても心地良い気分だった.
 45分ほどを公園で過ごして,奈良井宿へ戻った.4年前に来た時に比べ,ちょっと落ち着きがあるように感じられた.どこが,どう変わったのか?あるいは変わっていないのか,わからないが,なんとなく私好みの「よい町」になっていた.江戸時代には旅籠や茶店などが500軒近く軒を連ね,「奈良井千軒」といわれるほどの賑わいだったそうだが,今でも,駅のすぐ前から宿場が始まるのと,道の駅(「道の駅 奈良井木曽の大橋」)に車を停めて,簡単に来る事ができるため,多くの観光客で賑わっている.出梁造と言われる1階より2階の方がせり出している家々が,約1.2kmにわたって続き,街道時代をしのぶ事ができる.だた,宿場内を車が走ったり,通りに横断歩道が白ペンキで書いてあるのは改善して欲しい.宿場の中程に上問屋史料館があり,中へ入ってみたが,資料がただ無造作に展示してあるだけという感じだった.個人が資料館を開設している様であるが,やはり村がしっかりとやるべきだろう.ゆっくり歩いて宿場の西の高札場まで行く.その先に楢川村歴史民俗資料館があるが,ここも祝日の翌日で休館であった.お役所仕事というべきだろうか,その点,先ほどの上問屋史料館は個人の経営だけにちゃんと開館していた.これが役所と民間との違いなのか?
 この歴史民俗資料館が宿場の西のはずれにあたり,ここから,鳥居峠越えがはじまる.

◆ 再び 鳥居峠越え ◆

 歴史民俗資料館の前の道から斜めに登る道が峠へ向かう道である[12:46].ディパックに熊除けの鈴をつけて歩き始め,しばらく行くと舗装道路へ出る.その先に楢川村保養センター「ならい荘」の入り口があり,温泉ではないが,入浴のみの利用もできるらしいので,薮原から歩いて来た場合は利用すると良いだろう.「ならい荘」の先から石畳の道が始まる.鳥居峠越えはこれが2回目であるが,1回目は4年前の夏に,薮原から登って奈良井へ降りた.一般的にはこの方向が楽だと言われている.今回は逆のコースを行く.4年前よりも道は整備されている感じがした.加えて,まだ雑草が生い茂っていないので,見通しも利き,歩きやすい.携帯電話の電波は峠道を歩いている間,常につながっているようであった.
 いくつもの掛け橋を渡り,登り始めて20分程で中の茶屋跡に着いた.茶屋の前の谷は「葬沢(ほうむりさわ)」と呼ばれ,天正10(1582)年の木曽義昌と武田勝頼が戦った際,武田方の戦死者でこの谷が埋もれたと言われている.さらに20分ほど歩いて峰の茶屋に着いた[13:30].ここからは奈良井方面への眺望が開けている.茶屋は無人であったがログハウス風の造りで,最近建てられたらしく,トイレもあるようであった.建物の脇には湧き水が流れ,隣に奈良井宿から1.95km,鳥居峠山頂0.36kmとの標識があった.その先の切り通しになったところに「楢川村・木祖村村界.標高1197m」の標識がある.その標識の先が四叉路になっているが,中山道は未鋪装のまん中の道を行く.すぐに子産みの栃と言われる幹に大きな穴の開いた木が右手にあり,その下の砂防ダムに雪が残っていた.そして程なく丸山公園に着いた[13:48].ここに鳥居峠の石碑がいくつも建っている.ここまで,奈良井の歴史民俗資料館前から約1時間の道のりであった.
 休憩も程々に,すぐに峠を降りはじめる.薮原側もかなり険しい道であり,一概にどちらが楽とは言えないような気がした.街道の脇に熊除けの鈴が何ケ所かにある.奈良井側には見られなかったが,楢川村では熊は出ないのだろうか?そんな事は無いだろう…と思いながら坂を降りていった.かなり降りたところで石畳の道が現れた.石畳が途切れ,新しい家が建つ住宅街を抜けてJRのガードをくぐると薮原宿である[14:25].約40分で峠を降りてきた.
 薮原はお六櫛の産地として有名である.宿場内で櫛の形の看板をさげた店を見つけた(下の写真).電車の時間まで1時間以上あるので,木祖村郷土館へ向かった.木祖村郷土館は薮原駅から木曽川の方へ100mほど行ったところで,駅から大きな看板が見えるのですぐわかる.…が,ここも祝日の翌日休館にぶつかった.今日はこれで3回目である.しかたがないので,郷土館の前の道を渡って,木曽川の流れを見ながら時間を潰す事にした.このあたりの木曽川は,まだ小さな流れで,“明日はこの流れに沿って,木曽福島まで行くんだなぁー”などと思いにふけったりした.(尚,資料館の前にトイレがある.)ちょっと風が冷たくなってきたので,少し早かったが駅に向かい,15時45分発の松本行きの普通電車で松本に戻った.
 

鳥居峠への入り口

峠へ続く道

櫛の形の看板がかかる店(薮原)

所要時間 約6時間半(食事,休憩,見学の時間を含む)


スーパー,コンビニ情報

贄川〜平沢:道の駅「木曽ならかわ」.その隣にセブンイレブン

交通情報

贄川:JR中央本線贄川駅下車
平沢:JR中央本線木曽平沢駅下車
奈良井:JR中央本線奈良井駅下車
薮原:JR中央本線薮原駅で下車し,ガードをくぐって反対側へ出て,最初の道を東に向かうと薮原の宿場


1日目2日目3日目

menuへ戻る