福島宿〜上松宿〜倉本
(2001.7.14)

◆ 福島宿から木曽の棧(かけはし) ◆

 梅雨が明けたが,ぱっとしない天気が続いている.しばらく歩いておらず,歩き虫がむずむずしてきたので,ゴールデンウイークに歩いた続きを日帰りで歩くことにした.

 7月14日午前7時.JR大垣駅の出札で「青空ワイドフリーパス」(3,570円)を買う.この切符は,JR東海の名古屋エリアの普通列車が1日乗り放題になるもので,大垣から木曽福島まで往復すると,2,310円もお得である.
 名古屋から8時18分発の「快速ナイスホリデー木曽路」に乗った.これも,かなりお得な列車である.というのは,名古屋から中津川以遠へ直通する普通列車は,現在走っていないのが,この「快速ナイスホリデー木曽路」は塩尻まで乗り換えなしで行けて,しかも中津川から先は,南木曽,上松,木曽福島,薮原,奈良井,木曽平沢と特急なみの停車駅である.

 10時34分木曽福島着.駅から出て,古い町並みが残る上ノ段(うえのだん)という地区へ向かった.ここは卯建(うだつ)のある町家や,石置き板屋根の家,土蔵や宿場用水などが,今でも残り,福島町内で宿場時代を一番色濃く残している場所である.今年のゴールデンウイーク,塩尻から福島までを3日がかりで歩いて来た時に一度訪れているが,その時は小雨が降っていたので,天気の良い時にもう一度写真を撮っおきたいと思っていた.2ヶ月前にくらべて,日差しが強く,宿場用水の水場から流れ落ちる水が,いかにも涼し気であった.水場は,今でも多くの人に利用されているようで,近所のおばあさんが水を汲みに来たり,若い女性が軽自動車でやってきて,水を汲んで帰っていった.

 さて,写真を撮り終え,上松宿方面へUターンした.今日の予定は,上松宿を経て,途中,寝覚の床などの名所を見ながら倉本駅までである.上松の次の宿場は須原であるが,上松から3里余りあるので,須原まではちょっと無理だろう.

 木曽福島駅前を通り過ぎると[11:16],すぐに御嶽神社があったので,この先の道中の安全と,家族の健康を祈願する.
 坂道を下りて県道と合流し,すぐに斜め左の道に入ると塩渕の集落である.塩渕という地名は,昔,中山道を馬の背中に塩を載せて運んできたところ,その馬が木曽川の渕に転落し,塩をまいてしまったところから,塩渕という地名がついたと伝えられている.公民館の前に一里塚跡があり,江戸より70里,京へ67里とあった[11:26].

上ノ段の町並み 県道から斜に上る道

上ノ段の町並み(福島宿)

県道から斜に上る道(木曽福島町)
中部北陸自然歩道の道標がある

木曽の棧(かけはし)

 再び県道と合流するが,すぐに県道と平行して坂を上る道がある(上の中央の写真).道の脇に「中部北陸自然歩道」の碑がある.「木曽の棧方面」と書かれた方へ行くと,どんどん標高が上がってくる.坂を上り切ると,センターラインがハゲかけた,広い道に出る.どうもこの道は私の持って来た1/25000の地形図(昭和61年修正測量)に載っていないような気がする.車は全く走っていないので,道のまん中をわが物顔で闊歩する.頭上に国道の高架橋が見えると,いま歩いてきた道は大きくループしながら三たび県道と合流し,その後国道19号線と立体交差して合流する.この間,県道に歩道がないので注意が必要だ.

 板敷野の集落を抜け,12時29分上松町に入る.およそ10分で木曽の棧に着く[12:40].ここは木曽路の難所で,崖に丸太を架け,横板を渡しただけの橋が,旅人の松明で焼け落ち,1648(慶安元)年に石垣を組んで頑丈な橋に架け替えられた.今でも当時の石垣が残っており,木曽川の対岸から見ることができる.また,対岸には棧温泉があり,入浴のみの利用も可能であるが,この先,道中が長く,せっかく温泉に浸かっても,また,全身汗まみれになってしまうので,しかたなく,今回はあきらめることにした.

◆ 寝覚の床から小野の滝 ◆

 

 木曽の棧を後にして国道を進むと,木曽川に吊り橋が架かっているのが見える.横板が朽ちており通行禁止であった.このあたりから国道には歩道がなくなる.路側帯も狭いので注意しながら歩く.大形トラックなどはすぐ脇をすり抜ける感じで,何度も帽子が飛ばされそうになった.JRのガードをくぐると,国道は上松町内をバイパスするトンネルへ入るが,中山道はトンネル手前の信号を渡って右に折れる.緩やかな坂道を降りていくと上松宿の北の入り口,高札場跡に着く13:23].

 上松は何度も大火に見舞われ,古い町並みはほとんど残っていないが,わずかに,宿の北の入り口にあたる上町に,古い建物が残っている.道の東側に用水が流れ,水の流れる音が聞こえて来るが,水路に蓋がされているのが残念でならない.上町を過ぎると,大火の影響で古い建物は見られなくなる.なかには家全体が土蔵になった家もあり,火災の恐さを物語っているかのようである.上松駅前の観光案内所へ立ち寄り[13:40],「歩こう木曽路」というウォーキングマップをもらった.

 駅舎で少し休んでから,また中山道を南へ歩く.街道は国道を越え,山側の一段高いところを通っており,交通量も少なく歩きやすい.14時20分頃寝覚(ねざめ)のバス停に着く.3叉路の角に「越前屋」と「たせや」の2件の民宿が,江戸時代と変わらぬ姿で向かい合っている.昔ながらの赤いポストが良く似合っており,郵便局のポスターにしたいほどだ.越前屋は「続・膝栗毛」で弥次喜多が蕎麦切りを食べたところで,今は民宿となっており,蕎麦屋は寝覚の床へ向かう途中の,国道19号線沿いで営業している.
 蕎麦は後回しにして,寝覚の床へ向かった.寝覚の床は浦島太郎が竜宮城から帰ってきて,放浪の末,晩年をこの地で過ごしたと伝えられる地である.昼間JRの特急でここを通ると,必ず車掌さんの名所案内がある.200円の入場料を払って入ると,
JRの線路よりも高い位置から寝覚の床を見ることができ,大変良い眺めであったが,ちょっと川の水が汚いような気がした.ここから川の近くまで降りて行けるようだが,帰りがしんどそうであったので,やめた.諦めが早いのも取り柄である.

上町の町並み(上松町)

越前屋(上松町寝覚)
赤いポストが良く似合う

寝覚の床(上松町)

 寝覚の床を後にして,さっきの越前屋で寿命蕎麦とやらを食することにした.もりそばは2枚で1,000円であった.店内はクーラーはかかっていなかったが,暑さは感じなかった.

 坂道を登って「越前屋」と「たせや」が向かいあう角を右に曲がり,中山道に戻る.上松中学校の西を行くと,途中で舗装の道が途切れる.すぐに石畳の道があらわれるので,そのまま進み,左に折れて石段を降りていく.滑川に架かる橋を渡って対岸を歩く.林の中を歩くとJRの線路が見えてくる.ガードをくぐり国道に合流すると,すぐに左側に小野の滝が見える[15:30].
 この辺りを何回もJRで行き来しているが,車窓から小野の滝は見た記憶がない.それもそのはず,JRの高架橋の下あたりから滝が流れ落ちているのだ.滝の近くまでくると,汗がすっ〜と引いていく.こんなに国道から近いのに,駐車場にはバイクが1台停まっているだけだった.ちょっと知名度が低いようである.

 国道19号線を進むと萩原の一里塚跡に着き[14:43],国道から左に入る.しだいに高度が上がっていき,小さな集落を過ぎるとだんだん道が狭くなって,あぜ道の様になってしまった.そのまま進むと,高度が下がっていき,国道に戻ることができた.歩道橋があるところで国道を横切って立町に入る.ここにも古い家が残る.倉本駅まではあとわずかで,電車の時間まで少し余裕があるので,木曽川に架かる吊り橋,唐沢橋を渡って,対岸に渡ってみた.しばらく腰をおろして木曽川の流れを見ながら休んだ[16:14].少し早いかなと思いながらも,再び唐沢橋を渡って,国道に戻り16時32分倉本駅に着いた.17時ちょうどの中央線中津川行き普通電車に乗って帰路に着いた.

小野の滝

木曽川に架かる唐沢箸

所要時間 約6時間


スーパー,コンビニ情報

木曽福島駅にKIOSK.駅前に土産物屋.駅から北(江戸方)へ行くと商店街がある.
上松駅にKIOSK.駅前に商店が少し.

この区間は,道中でコンビニやスーパーは見かけませんでした.

交通情報

福島:JR中央本線木曽福島駅(特急停車)からすぐ,駅前の道が中山道.
上松:JR中央本線上松駅(特急停車)の正面の道を100m程東へいった道(旧国道)が中山道
倉本:JR中央本線倉本駅


2002年 12月 8日 (日)作成

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