倉本〜須原宿〜野尻宿〜十二兼
(2001.10.13)

◆ 下水道工事で宿場情緒が台なしの須原宿 ◆

 9月の始めにぎっくり腰をやったせいもあって,2ヶ月ほど中山道から遠ざかっていた.そうこうする間に秋が深まってきて,ウォ-キングに最適な気候になったので,久しぶりに中山道へ足を運んだ.

 10月13日.午前8時前に大垣駅を発ち,途中,名古屋駅の7,8番ホームにあるベルマート(東海Kioskのコンビニ)でお茶とおにぎりを買って,8時45分発中津川行き快速に乗り込んだ.中津川で10時16分発の普通に乗り換えて,11時ちょうど倉本駅に着いた.大垣駅を出て3時間以上が経っていた.

 倉本駅で降りたのは私の他に1人だけであった.もう1人の人も背中にディバックを背負っていたが,私とは反対の方向,国道を横切って木曽川の方向へ歩いて行った.一方,私は駅を出てすぐJRのガードをくぐり(名古屋方面のりばヘの道),緩やかな坂道をのぼって行った.ところどころにコスモスが咲き,ススキの穂が揺れていた.道が下りになると,左側に庚申塔が見えてくる.沢ぞいの道に降りて国道に向かう.国道19号線に合流して500mほど歩くと,池の尻で国道から斜め右方向に降りる[11:28].集落が途切れると道の鋪装もなくなり,あぜ道のような道を,夜露で濡れた雑草を踏みながら進み,廃業したレストランの脇を抜けて再び国道19号に出る.このあたりが上松町と大桑村との境になる.

 

須原宿の入り口
須原駅と須原宿の町並みは左へ

大和屋(須原駅前)

大桑村歴史民俗資料館

 ここから須原までは国道に沿って歩く.大桑村上郷(国道19号線の119.5km地点)にコンビニのタイムリーがある[11:52].途中から歩道が国道から離れて,一段高いところを進む.すぐ下を国道が通っているのだが,車の音もあまり聞こえなくなり気持ち良く歩ける(夜はちょっと恐いかも?).正午を15分ほど過ぎた頃,左手に須原宿の大きな看板が見えてきた[12:17].お腹がすいてきたので,この看板の脇で名古屋駅で買ったおにぎりを食べた.

 須原はチェックすべき場所が多い.まずは須原駅前の大和屋.ここは名物「桜の花漬け」を扱う唯一の店である.次に須原小学校の脇を通って,木曽川の反対側にある大桑村スポーツ公園内の大桑村歴史民俗資料館へ向かう.ここでは木曽の森林や水力発電,木曽路に関する展示を見ることができる.資料館の周りは芝生を張った公園になっているので,お弁当を広げたり,寝転んだりできる.ただし,ヘビなどの小動物には注意が必要かも知れない.公園内の芝生の上でシマヘビも昼寝?していた.

須原宿の街並み

水舟(須原宿)

三都講の看板(須原宿,柏屋)

 

 再び須原宿へ戻る[13:17].須原は比較的古い建物が残り,宿場の雰囲気を残していると聞いていたので,期待してきたが,ちょうど宿場内で下水道工事がおこなわれており,工事車両や標識,街道に面して停めてある自家用車のため町並みが台なしになっていた.それでも,往時の雰囲気を残していることは十分に感じられ,ぜひもう一度,今度は静かな時に訪れたいと思った.宿内を西(京方)に進むと,ところどころに丸太をくりぬいた水舟があり,冷たい水が溢れ出ていた.なかにはコップを並べた水舟もあった.宿の西はずれには臨済宗妙心寺派の古刹,定勝寺があり,院内を見て廻りたかったが,あいにく法事が営まれている様子だったので,門前で手をあわせて寺を後にした.宿の西はずれには旅籠屋の柏屋があり,軒下に「三都講」と書かれた看板が懸かっている.三都講は1830(天保元)年に大坂の瓢箪屋こと河内屋庄右衛門が開いた講で,現在でいう協定旅館である.

 須原の宿を過ぎてJRの踏み切りにさしかかると,男の子がおばあさん?と一緒に線路の方を見ていた.「こんにちは」とあいさつを交わす.踏切を渡って進むと,二階の壁に「御宿 喜久屋」という鏝絵のある建物を見つけた.今は旅館は営業していないようであった.伊奈川橋の手前に,京都の清水寺に似た舞台造りの岩出観音堂が見える[14:00].この先大桑駅付近まで,中山道は木曽川から小さな山一つ迂回する.その道の途中に天長院という比較的新しいお寺がある[14:25].ここの寺の入口にあるお地蔵さんは一見の価値がある.というのは,ここのお地蔵さんは,万歳をしていたり,横になっていたり,左胸を押さえていたり(心臓が悪い?)…,みなそれぞれ違う格好をしているのだ.きっと今の自分と同じ気持ちのお地蔵さんに巡り合える?.14時38分大桑駅に着いた.

御宿 喜久屋の鏝絵

岩出観音堂(須原)

天長院

◆ なぜか西濃運輸のマーク ◆

 

 大桑駅を出ると国道19号線の歩道を歩く.すぐに道の駅大桑に着く[14:59].道の駅は高速道路にあるサービスエリアの一般国道バージョンであるが,もちろん歩いて旅をする者にとってもありがたい施設である.高速道路のサービスエリアよりも,その土地の色彩が色濃く出ていて,情報発信基地あるいは土地の産物のアンテナショップになっている.道の駅で25分ほど休憩をとった.
 道の駅を出てすぐに,国道から斜め右に降りて行く道があるので,この道を進もう.

 JRのガードをくぐって野尻宿に入る.突き当たりが高札場跡である[15:45].野尻宿は度重なる火災のため,建物に昔の面影はあまり残っていないが,「七曲がり」と言われる外敵を防ぐためにくねくねと曲げた道は健在である.宿場の西のはずれまで来ると,家の前に説明板が立っている家がある.吉村家の建物で屋号は「はずれ」,西のはずれという意味である.ちなみに東のはずれにも「はずれ」いう屋号の家があるらしい.

 野尻宿をすぎると,野尻交差点で国道19号線に出るが[16:13],ここは国道には出ずに平行する道を進む.JRの踏切にぶつかるので,踏切を渡らずに線路と平行する道を進む.すれ違う人も,車も見かけない,ちょっと寂しい道である.午後4時を過ぎて太陽が西に傾き,影が長くなり,同時に風が冷たくなった.国道を渡り,なぜか西濃運輸のマークが付いている石垣の下の道を砂防ダムに向かって進む.すぐにUターンして舗装道路の坂道を登って行くと小さな墓地があり,そこに田口姓のお墓があった.先ほどの西濃運輸のマークも少し納得がいくような感じがした.西濃運輸の創業者とこの土地がなんらかの関係があるようである.
 神社の手前の道を国道におりて行く.もう十二兼駅は目の前である.押しボタン信号の横断歩道を渡り,JRを踏切のないところで渡って,JRと平行する道を進むと,ほどなく無人の十二兼駅に着いた[16:48].陽は西の山に隠れ,街路灯には明かりがともっていた.木曽路の夕方は短く,夜は長い.
 

道の駅大桑

野尻宿

十二兼駅

所要時間 約6時間


スーパー,コンビニ情報

倉本〜須原:国道19号線の119.5km地点(大桑村上郷)にコンビニのタイムリー
大桑:道の駅大桑.
野尻:宿場内にスーパー・オーオヒラ.

交通情報

倉本:JR中央本線倉本駅
須原:JR中央本線須原駅.駅を出て左手方向が須原宿.駅前には「桜の花漬け」の大和屋がある.
野尻:JR中央本線野尻駅
十二兼:JR中央本線十二兼駅.駅の前が中山道


2002年 12月 8日 (日)作成

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